13
2月

ALFA164 GIARDINETTA ?

アルファ・ロメオが歴代のベルリーナにワゴンを用意していたことは意外に知られていません。古くはジュリア・スーパーに始まり、33(写真)、75とGIARDINETTA(ジャルディネッタ)と呼ばれたワゴンのバリエーションが作られていました。またこれ以外にもCOLLIやBONESCHIなどのカロッツエリアは独自のデザインでアルファ・ロメオの量産車をベースにジャルディネッタを仕立てています。日本車のワゴンが“バン”と呼ばれ、単なる商用車であった時代に、ジュリア・スーパーのワゴンはセダンと同様のスペックを持つ、当に“スポーツ・ワゴン”と呼ぶにふさわしい動力性能を持ったワゴンであったと言えるでしょう。

現在市販されているアルファ・ロメオのラインアップの中の唯一のジャルディネッタである156スポーツワゴンがスタイリングを重視した、どちらかと言えば5ドア・ハッチバック的であるのに比べ、歴代のアルファ・ロメオのジャルディネッタは荷室のスペースも十分で、本来のセダンのボクシーなスタイリングに良くマッチしていました。

ヨーロッパ大陸における“ワゴン”は決して商用車としてだけではなく、バカンスに赴くために家族と荷物をどっさりと積み込んで長距離を走るために必要な居住性と動力性能が求められていますから、アルファ・ロメオのジャルディネッタはまさにうってつけと言えます。

ちなみに、フランスではワゴンを“ブレーク”と呼んでいますので、まさにバカンスのためのクルマという位置づけです。イギリスでは貴族が狩猟に用いるために猟銃と猟犬を載せる“シューティング・ブレーク”というワゴンの呼び名があります。

またワゴンは一般的に”ステーションワゴン”と呼ばれることもあります。これはアメリカ開拓時代に、駅と駅を結び現在の鉄道やバスの役割を果たしていた、いわゆる”駅馬車”の呼び名を引き継いでいます。 このようにワゴンはその使用目的によって独自の文化を形成しているのです。
ご存知のように、北米ではワゴンは“エステート”とも呼ばれ、大きなマーケットを形成しています。その使い方を含めて、北米のマーケットはまさに“ワゴン天国”と言っても良いくらい、販売ラインアップの中にワゴンボディが求められるマーケットです。

そんな中で、北米で販売され好評だったアルファ164にジャルディネッタがあれば…と考えたのは自然の流れだったのでしょう。事実アルファ・ロメオ社でも計画はあったと言われていますが、残念ながら実現には至りませんでした。ところが、さすがアメリカ人です。「ないのなら作ってしまえ」と写真のアルファ164ジャルディネッタが1台だけ製作されました。

この幻のアルファ164ジャルディネッタは何と、フォード・トーラスワゴンのリア部分をそっくり移植したものです。どのようにしてボディを合体させたのかは定かではありませんが、写真で見る限りではルーフのレールとリブが見えますので、リア部分だけでなくトーラスの天井部分も移植しているのかも知れません。

しかしテールランプを含めたゲート周りは164のものがうまく収まっており、スタイリングはまるでオリジナルデザインかと見紛うばかりの完成度です。

後にランチア・テーマワゴンをピニンファリーナがデザインして日本でも発売されました(搭載されたエンジンはアルファのV6)が、個人的にはこのアルファ164ジャルディネッタのほうがセールス的には成功したのでは?と思ってしまいます。

作られた当時は、アルファ164、フォード・トーラスワゴンともに新車で販売されていましたが、現在はどちらも底値?とも言える値段です。

どうです、どなたかチャレンジしてみませんか?

Column by 510190